時々させていただくカルチャライズについて

皆さまこんにちは、Kです。

しばしの休載後、(主人公たちの)大学入試を経て再開したマンガ「あの年の夏」はご存じでしょうか!!
私は仕事(翻訳)を忘れて毎週楽しみにしております。

登場人物たちの心理描写の絶妙さとか、映画みたいな表現とか、素敵な台詞とか、イケメンの礼央さん&拓海、そしてこの2人以上にオトコマエな樹里とか…魅力を語りだしたらキリがないのですが、翻訳して日本向けに出すにあたり、泣く泣くちょっとだけ!作品の良さを損なわないようにほんのちょっとだけ!!カルチャライズをさせていただくことがあります。

そんなことしないでそのまま出せよ!原作でどう書いてあるか知りたいんだよ!というファンの方の声もごもっともですし、作者であるジュン先生の意向をできる限り反映したいという所存で翻訳しているのはもちろんなのですが、文化の違いがあるのでどうしてもそのまま訳してしまうと意味が分かりづらいんじゃないか…?と心配になる箇所が時々あるんですね。そういうところだけちょこっと、ちょこちょこっと、ふわっと日本に寄せさせて頂いております。

ちょっとだけ例を挙げますと…f:id:localize_hg:20181122165415p:plain

あの年の夏 136話より

上部に「経済学部 新歓クラコン」と書いてありますが、原作では

경제학과 1학기 개강총회

(経済学科 1学期開講総会)

となっていました 。

韓国の大学では、飲み会とか合宿が学科単位で開催されることが多く、その時はだいたい先輩も含めてその科の学生が集まるのですね。なので原作では「総会」となっているのだと思われます。

しかし、日本ではほとんどそういう集まりはないので、ここは「新歓クラコン」とさせていただきました。

大学の前期授業を「1学期」というのも日本と違いますよねぇ。マンガの中にもその国の文化が現れていて非常に面白いです。

また、このクラコンでは二次会にこんなアジョッシ…いや男性も来てました。

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あの年の夏 136話より

最初、誰だろうこの人は…先生?2次会にも来るなんて韓国の教授は付き合いいいなー、とか思ったんですが…どうやらこの方は先生じゃなく先輩のようで…。

考えてみると、韓国の男性は軍隊があるので2年、そして留学とか諸々で休学すると1~2年、さらに浪人でもしてようもんなら4年生のときには27歳~28歳になってたりするのはザラなんですね。なのできっと先輩なんだろな~。でも日本的にみると、どうしても先生っぽく見えるよな~、ということで、とにかく上の人っぽい雰囲気で訳させていただきました。

ということで、翻訳者の言い訳のようにもなってしまいましたが、読者の皆さまにストーリーに没頭していただけるよう、このように微調整をしながら翻訳をしております。

たまにカルチャーギャップに気付かずにそのまま訳してることもあって、コメント欄で「これってどういうことだろう?」とちょっとした議論になってたりしますが…

そんな時は韓国事情に詳しい読者の方が親切にコメントくださったり(ありがたいことです)

…日々勉強の毎日でございます。

というわけで「あの年の夏」お楽しみいただければと思います。

ではでは、またお会いしましょう~!

Comico「あの年の夏」はこちらからご覧いただけます。

http://www.comico.jp/articleList.nhn?titleNo=20098

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