皆さまこんにちは、Kです。
今回は、海外作品を日本設定に置き換えて翻訳する場合(これを「ローカライズ」といいます)どんなふうにキャラクターの名前を決めているか?について、僭越ながらご紹介したいと思います。
例えばComicoで人気急上昇中のマンガ「キミの恋について」の名前を紹介しますと…
ということで、ズラッと登場人物を並べてみましたが、
なんと郁ちゃんは元は「チョン・ヨハン」君だったんですねー。
彼の場合は作家さんや編集サイドからは特に指定がありませんでしたので、
外見からイメージして自由に命名させていただきました。
実は郁の名前は、最初「~也」にしていまして(「~也」ってイケメンなイメージがありますよね。拓也とか真也とか…)それはそれで合ってるなと思ってたんです。
しかしある日の休日、街をブラブラしている途中にふと「あの主人公の名前『郁』がいいかも?」という声が降ってきまして…それはもう、天から降ってきたとしか思えないのですが…。「『郁』!ステキ!!」となって、翻訳中だった名前をすべて修正し日本版「郁」ちゃんが生まれたわけです。
それから、キャラクターの年代や性格を考慮して決める時もあります。
2018年現在、高校生に多い名前は…でネット検索すると「翼」君が多いと出てきたので「ふむふむ、翼君もいいね!」ということで、雨宮先輩の名前は「翼」に決まったわけです。
輪島は、なんとなく「~太郎」君があってるなと思いまして。
輪島は作品の中ではおじゃま虫扱いされてる(郁にだけ)けど、めちゃくちゃいいヤツなんです。
いいヤツキャラは「~太郎」君だよね~という、完璧な主観によってこの名前になりました。
また、原作の名前からイメージすることもあります。
「渚」の元の名前は「ユリ」ですが、韓国語で「ユリ」はガラスという意味があり、
なんとなーく女性っぽいような名前でもあります。
ユリ君本人も線の細いイケメンですし、
中性的で透明感がある名前…「『渚』だ!」ということで、「渚」に決まりました。
ということで、翻訳作品で日本名を決める時の裏側(というか翻訳者の心の声)をご紹介しました。
この他に、作家さんから「この字を入れてほしい」「この名前にしてほしい」などのご要望があればそれにしますし、名前に「○○」という意味が込められているのでそれを活かしたほうがいい、となればそのような名前にすることもあります。
何はともあれ、原作の味や雰囲気を活かしつつ、
違和感がないような名前を付けられればいいなと思いながら日々試行錯誤しております。
原作も翻訳作品もどちらも楽しんでいただければありがたいです。
ではでは、またお会いしましょう~!
マンガ「キミの恋について」はこちらからご覧いただけます。
https://www.comico.jp/articleList.nhn?titleNo=24354