ドラネス小辞典⑤ アルカディアの記憶 ~前編~
皆様こんにちはブラックバフです。
今回は韓国公式サイトのコンテンツノートより
グラノームネストとアルカディアのバックストーリーを前編・中編・後編に分けてお届けします!∠( ゚д゚)/
※今回の投稿は一部ネタバレを含みます!
特にサブクエスト/NPC会話未確認の方は要注意!!
アルカディア:理想郷の代名詞であるギリシャの地名が語源かな…と思われます。反女神派の隠れ里であるラダメスの前身ともいえる国とグラノームネストには一体どんな関係があるのでしょうか?
ちょっと長いのでお時間の許す折にお楽しみくださいね。
原文はこちらからお楽しみいただけます!
韓国 ドラゴンネスト公式サイト
コンテンツノート
グラノームネスト〈手放すべきもの〉
赤い土埃が舞う、荒廃した土地があった。チャイルドすら誰一人気にもとめない、南部の荒野。
しかし、それも昔の話。現在、その土地には水が流れ、農作物が育っている。もちろん、手を加え切り拓いた、一部の地域に限って…であるが。
かつて栄華を極めた文明国アルカディアも、建国当時は極めて不毛な土壌の上にあったという。
善意志を失わぬ人々が、チャイルドの目を盗んで捨てられた土地に集まり、弱い人間も安心して生きていける美しい国を作ろうと築かれた国。それがアルカディアだった。
アカデミアの知るアルカディアの風景は、黄土の光に満ちていた。四方に伸びるパイプ、魔力装置の力で動き続ける歯車と真っ白な蒸気を吐き出す煙突。魔導書や工具を片手に、その隙間を縫うように歩く人々。まるで国そのものが、一つの生きた機械のようだった。人々が豊かに生きていけるよう営む、至極人間的な金属の国。
ラダメスも…そんな国にできるだろうか?
水路が問題なく可動することを確認し、アカデミアはその身を起こした。すでに年寄りと言われる年齢だったが、立派な風采や身のこなしは若者と変わらなかった。そしてこの水路こそ、これまで培った膨大な…とどまるところを知らぬ万国の知識をもとに作られたものだった。
もしや水の供給に失敗するかと気をもんでいた人々が、口々に歓声を上げた。この開発区域はひときわ土壌が悪く、水をまいてもすぐに干上がり土煙を上げるような土地だった。田畑の間にびっしりと張り巡らされた水路を遠くの沼地まで伸ばしたことで、まさかそんな土地が作物を育てられるような土地になろうとは。
「アカデミア様!成功したようですぞ!心なしか、土煙がいつもより少なくなった気すらしますなあ!」
「成功したようだ。ではなく、成功したのだ。私がこれほど骨を折ったのだ、成功しないはずがない」
隣で声をあげる老人とは打って変わって、アカデミアは至って冷静だった。さも、成功して当然なのだから興奮することもない…そんな態度だった。その声色から傲慢さすら感じられるほど、自信に満ち溢れていた。
「しかしこの先、より念入りに管理しなくてはならない。沼地から流れ込む泥に水路を塞がれぬよう、月に一度は下水道の手入れが必要だ。取り除いた泥は捨てるのではなく、堆肥として使い、成分が安定したら作物を植えてみるように」
「堆肥として使う…つまり、相当な量が流れ込んでくるということですな。ならば、10日ほど後に手の空いた若者を3~4人派遣してくだされ。このところ皆で、足腰が痛むと嘆いております。無理をして怪我をする者が出てはなりませぬゆえ…」
この土地を切り開いてきた人々の大多数…腰が曲がり白髪が目立ち始めた老人たちは、その昔アカデミアと共に避難してきたアルカディア人だった。彼らがアカデミアに向ける眼差しには、未だに滅亡した故郷を思う羨望の光が宿っていた。それは、今アカデミアと会話していた老人もまた同じである。
「承知した。近く、人員を派遣しよう。その時、新しい試薬も持たせる。受け取ったら、水路の交わる地点に散布するように」
「おお、また新しい薬を作ったのですな!」
「私ではない、ノルペが作ったものだ。数日前に西から伝令をよこしたのだ。作物がより丈夫に育ち、大地のオーラの消耗を抑える効能があるらしい」
「そんなことが可能なのですか!やはり、ノルペ殿は偉大なお方だ…さすがはアカデミア様。素晴らしい目をお持ちですな!」
「フン、当然だ。この私を誰だと思っている」
彼の言葉はお世辞などではなく本心だったのだが…それでも、その心のざわつきは、どうすることもできなかった。この羨望の眼差しは、数年の後、ノルペに向けられることだろう。アカデミアは口を紡ぎ、じっと水路を見つめた。いつの間にか、その老人も水路に目を向け軽快に昔話を始めた。
「かつてのアルカディアの栄華が、今でもありありと思い浮かびます――」
***
ひと時だったとはいえ、なぜアルカディアはこれほどまでに繁栄することができたのか?女神ベスティネルは、人々の発展を野放しにしていたのか?あの頃の彼らには分からなかったが、答えは至極明快だった。人間ごときがどれほど繁栄しようとも、取るに足らないからである。女神の目には人間などチャイルドの餌としてしか映っていない。花を咲かそうが枯れようが関係ない。ただ、たっぷり美味しく食べられるように、泳がせておいただけなのだ。
アルカディアの技術力が頂点に達した頃。女神はそれを合図と言わんばかりにチャイルドによる侵攻を始めた。アカデミアが最年少の宮廷ソーサラーに任命され、数年経った頃の出来事だった――
…今回はここまでで!
本編では深く語られることがなかった、ノルペの師匠アカデミアの名前とアルカディアの話が出てきましたね。アカデミアの胸のざわつきとは一体…?
今回の小辞典が、皆様のドラネスライフをさらに彩ることができれば幸いです!
それではまた次回お会いしましょう!