ドラネス小辞典③ ヘイズアイスドラゴン~後編~
皆さんこんにちは、ブラックバフです!
前回に引き続き、韓国公式サイトのコンテンツノートより、
ヘイズアイスドラゴンストーリー「凍てついた砂漠」
今回は後編をお届けします!
※今回の投稿は一部ネタバレを含みます!
特にサブクエスト/NPC会話未確認の方は要注意!!
凍てついた砂漠 ~後編~
<2人のチャイルドの出会い>
「…君を探していたんだ」
冷たく湿った墓の底から這い出した私の目の前に、一人の男が立っていた。
本能的に私は、その男は「私と同じ存在だ」と感じた。
「俺を…覚えていないんだな。やはり…チャイルドになってしまったのか」
男は苦々しく唇を噛み締めた。
その顔は青白く、伸ばした掌からは冷たい気配がちらついた。
「氷を操るのか…」
限りなく神に近いこの本能に従えば、相手が何も言わずとも、答えは明白だった。
「君は覚えていないし、思い出したくもないだろうけど…
俺はまだ人間だった頃の君にとても世話になったんだ。
君は、俺が自分の兄に似ているからと…
『ギイ』 その実の兄と同じ名前をくれた。
でも…俺のせいで君の家族はみな命を失い、君自身も墓の中に…」
彼に家族を殺されていなかったとしても、どのみち覚醒すればこの手で片付けるつもりだった。
それがもう済んでいるのなら、手間が省けたも同じこと。
彼だって、そのくらい分かるだろうに…おかしなことを言う。
「君の家の話を聞いた俺は…この力が幾分安定したら、君を迎えに行こうと思っていた。
けれどもその前に、君は死んでしまったんだ。
でも俺は、君を探し続けた。亡骸さえあれば、俺の眷属にすることができる。
なのに、チャイルドになってしまうなんて…
そんなこと思いもしなかった」
無礼だと思った。限りなく神に近いこの身を、眷属にしようだなんて。
でも言われてみれば…損得で主従関係を結ぶのは、戦略的で悪くない選択だ。
私は、まだ弱い。精神的にはあの男よりも安定しているようだが、一度死んだ身だからだろうか…
力をうまく集めることができない。
「だからいま俺は…君への責任を感じているんだ。君さえ良ければ、力になりたい」
責任?どうしてこの男は、そんな私達には必要ない感情をいだき、私にぶつけてくるのだろう?
よくよく見ると不思議な事に、彼の目には人間の光が残っていた。
こんなものが存在してはならない。きっと狂ってしまうか…不安要素となるはずだ。
「……」
「俺の手をとってくれるのか?…嬉しいな」
伸ばされた青白い手を取り、頷いて肯定の意を示すと男は明るく笑った。
激しく気分が害されたのは、人間だった頃の記憶を刺激されたからだろう。
男は私の手を引くと、長いマントの内側へ…砂嵐から守るように抱き寄せた。
「噂では、あのトリヤンも誰かにやられたらしい。
俺たちのネストを作る場所を探しに行こう。
二人で一緒にネストを作ってもう少し強くなれば、領地を構えることだってできるはずだ」
墓穴から這い出したばかりだからか、眩い光に眼の前が霞む。
もがけばもがくほど深みに嵌り、喉の奥に泥が流れ込んでくるように、言葉もうまく出てこない。
「ここからもう少し北に行けば、かつての主だったチャイルドは遠征先で命を落として以来、廃墟になっている要塞があるそうだ。不毛な土地だからか、まだ誰も棲み着いていないらしい。どうだい?その場所に行ってみないか?」
「……」
「君みたいな女の子にはちょっとつらい旅かもしれないね。
…なんて、何を言っているんだ俺は。君は…チャイルドなのに…ハハ…」
本当におかしな男。
自分だってチャイルドのくせに、こんなにも人間らしい。恥ずかしくないのか?
気に障る男だが、まだ大丈夫だ。これほど人間的なら心配はいらない。
期が熟せば殺して…宝玉を奪えばいい。
ただ、その前に…やり残したことがあった。
「家族を殺すとは、どういう感覚だ?」
風と光を避けようと閉じた瞼に遮られ、男の表情は見えない。
しかし、抱かれた両腕から、大きく息をするように身体が上下するのを感じた。
「思い知るんだ。ああ、自分はもう『人間』じゃないんだな…と」
自分は もう 人間じゃ ない。
そんなこと、墓穴から這い出した瞬間から分かっていた。
ただ生き抜くだけ。
「生」それ自体が目的になる。
こんな生命になんの意味があるのかなんて、私にも分からない。
ただ私は神の操り人形として機能するだけ。
そう…きっとこれが、私の生命の目的であり意味なのだ――
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http://dn.game.naver.com/news/story.html?mode=read&no=59
イベールを探し続けた【チャイルド】ギイの胸の内が明かされましたね!
この思いは、イベールの胸に届いているのでしょうか…
目からポーションが溢れ出ますね!困った布切れもびしょびしょです…
お楽しみいただけましたでしょうか?
あなたのDNライフをさらに深めるお手伝いができていましたら幸いです!!
それでは、また次の記事でお会いしましょう!