ドラネス小辞典③ ヘイズアイスドラゴン~前編~
皆さんこんにちは、ブラックバフです!
前回のチャイルドについての記事に…たくさんのご反応ありがとうございます!
同じく、韓国のコンテンツノートにヘイズアイスドラゴンのストーリーを更に掘り下げた物がありましたのでご紹介したいと思います!
ただちょっと…いえ、だいぶ、スーパー長かったので、前編・後編に分けてお届けします!
なる早でご紹介できるようがんばりますね!では…いざ!
※今回の投稿は一部ネタバレを含みます!
凍てついた砂漠 ~前編~
<砂漠を彷徨う少女>
最初の記憶…それは闇。
冷たく湿った土の匂い。暗く息苦しい静けさに包まれていた。
酸素を奪われたかのように苦しい…首元に纏わりつく死の香り。
―ああ確か、頭を殴られると星が飛び出すんだっけ…違うわね。あれはただの笑い話。
でも、いまはその笑い話のように、目を閉じれば瞼の裏でグルグルと星が廻っている。まるで宇宙を見ているようだった。
苦しくて苦しくて、胸を…体を…掻きむしる。
生き埋めになった屍のような気持ちだった。
誰かここから出して…!
このままでは狂ってしまう…!深い闇…これが死の正体だったの…!?
締め上げられ、声も出ない喉でそう叫んだ。
一体何を間違ってしまったの?何を間違ったから、こんな冷たい土の中に埋められてしまったの?
私はただ、世界を変えたかった。
飢えて死にゆく子どもたちに食べ物を与えたかった。盗みを働く人に、善の道を示したかった。人を殺める者に何が正しいかを伝えたかった。
私は何ひとつ…過ちを犯していない。
でもそれが…間違いだった。
私は心臓を突かれ、蒼く冷え切った砂の下…暗く冷たい土の中に埋められた。
私の人生は終わった。
たくさんの可能性も、少女らしい夢もすべて奪われたまま…終わってしまった。
物語は一瞬で、崩れ去ってしまった。
…突然訪れた安息。
このまま死を受け入れよう。
しかたない。私の命は終わってしまった。
人間としての私の命は終わってしまった。
「人間」としての…命…?
「お前に与えられた新たな生命を生きよ」
瞬間、体中が雷に打たれたようだった。
私の命は、まだ終わっていない。
『卑しい人間としての生』
そう、ただその「虫けらのような生」が終りを迎えただけ!
体中を新たな戦慄が走り抜ける。
私は生きている。
私は「生きて」いる。
そしてこれからも…私は生きていく。
赤子が産声をあげるかのように
新たな生命が吐息とともに溢れ出した。
「ウア゛ア゛ァァァア゛ァ!!!」
その日、私の中に眠っていた女神の自我が芽吹いた。
私は冷たく湿った墓から這いずり出て、新たな大地に立った。
もはや、人間だった私は消えた。
蒼き砂漠の砂のように、そのひと欠片すらも残されてはいない――
<少女を探す者>
最初の記憶は小屋の中だった。
俺の手の中には、血に汚れたナイフ…四方を赤黒い血と闇、そして静寂に包まれていた。
あれは何だ…?そう思いよくよく見ると、それらは死体だった。死体があちらこちらに転がっているのだ。
おかしなことに、その時は何の動揺も感じなかった。
俺がこの手で家族を殺したこと、自分はもはや人間ではないこと…その2つが冷静な頭にはっきりと浮かんだ。
ナイフを握った指をそっと動かしてみた。…感覚的な異常は感じられない。
全てが無理なく、脳からの信号を受け取り、遂行していた。
俺は本能的に、新たに生まれた新しい自我の指示に従い、人間だった頃の痕跡を全て消そうと故郷を目指した。
新たに生まれた俺の中のもう一人の自分が絶え間なくささやく。
まだ俺は弱い。俺よりも遥かに強い奴らがこの宝玉を狙ってやってくる。
逃げろ…ニゲロ…
そして、強くなれ。
お前よりも弱い奴を探し出し、我が物にするんだ。
蒼い砂嵐が吹き荒れる平野を過ぎ、見ず知らずの土地にたどり着いた頃、
強大な気配が俺を見つけ出したことを感じ取った。
「どうしてだ?あれほど強大な存在は、俺のような弱小者を狩ったりせず、
眷属に加えるのだと…そう言っていなかったか?」
「バカめ、お前はお前が思う以上に特殊な能力を持っているのだ。
その上、こうして俺と分離し、会話することもできる。なぜ、お前と俺が一つじゃないのか…おかしいとは思わないのか?」
「本来、お前と俺が『一つ』なのが、正常だって言うのか…?」
「お前はまだ完全なチャイルドではない…まだ未分化の状態だ
そういう奴らは本来狂ってしまったり、あるいは…
まあいい、とにかくお前のような存在は不安要素なんだ。相手にとって見れば、そういった不安要素は摘み取っておきたいはずだ。俺だって、狩ることを選ぶだろう」
人間だった俺は死んだ。
新たに生まれた俺は、限りなく神に近しい存在のように思えた。
だが、俺は今も「俺」として、物事を考えていた。
神である俺は、こんなことは「正常」ではないと言った。
しかし、じきに安定すると…
安定しなかった場合は…狂って消滅するだろうと…そう言った。
俺は怖かった。
覚醒したあの瞬間でさえ、何事もなかった感覚や細胞…その一つ一つが叫んでいるようだった。
家族を皆殺しにして神になろうとした自分は、結局神になれないまま、人殺しとして死んでいくのか。
地獄で出会った霊魂が俺を呪い、俺は永劫の地獄をたった一人彷徨うのか…
「こんなこと、俺は望んでいない!俺が望んだのはこんな――!」
俺は恐怖の中をただひたすらに逃げた。
神は現れなかった。まるで俺をあざ笑うかのように…
そして俺は卑しく哀れな人間の姿をしたまま、とある小さな家の納屋に息を潜めることとなった。
そしてその場所で「君」に出会ったんだ。
ただひたすらに暖かく穏やかな君に…
▼コンテンツノート原文はコチラから読むことができますよ!
http://dn.game.naver.com/news/story.html?mode=read&no=59
イベールが命を落としてから、チャイルドに覚醒するまでの独白…
そして、チャイルドに覚醒した謎の男…
でもこの男、チャイルドにしては違和感が…?
お話の続きは後編で!
それでは、また次の記事でお会いしましょう!