ドラネス小辞典③ ヘイズアイスドラゴン~前編~

2019年3月13日

皆さんこんにちは、ブラックバフです!

前回のチャイルドについての記事に…たくさんのご反応ありがとうございます!

同じく、韓国のコンテンツノートにヘイズアイスドラゴンのストーリーを更に掘り下げた物がありましたのでご紹介したいと思います!

ただちょっと…いえ、だいぶ、スーパー長かったので、前編・後編に分けてお届けします!

なる早でご紹介できるようがんばりますね!では…いざ!

※今回の投稿は一部ネタバレを含みます!

 特にサブクエスト/NPC会話未確認の方は要注意!!

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 凍てついた砂漠 ~前編~

 <砂漠を彷徨う少女>

最初の記憶…それは闇。

冷たく湿った土の匂い。暗く息苦しい静けさに包まれていた。

酸素を奪われたかのように苦しい…首元に纏わりつく死の香り。

―ああ確か、頭を殴られると星が飛び出すんだっけ…違うわね。あれはただの笑い話。

でも、いまはその笑い話のように、目を閉じれば瞼の裏でグルグルと星が廻っている。まるで宇宙を見ているようだった。

苦しくて苦しくて、胸を…体を…掻きむしる。

生き埋めになった屍のような気持ちだった。

誰かここから出して…!

このままでは狂ってしまう…!深い闇…これが死の正体だったの…!?

締め上げられ、声も出ない喉でそう叫んだ。

 

一体何を間違ってしまったの?何を間違ったから、こんな冷たい土の中に埋められてしまったの?

私はただ、世界を変えたかった。

飢えて死にゆく子どもたちに食べ物を与えたかった。盗みを働く人に、善の道を示したかった。人を殺める者に何が正しいかを伝えたかった。

私は何ひとつ…過ちを犯していない。

でもそれが…間違いだった。

 

私は心臓を突かれ、蒼く冷え切った砂の下…暗く冷たい土の中に埋められた。

私の人生は終わった。

たくさんの可能性も、少女らしい夢もすべて奪われたまま…終わってしまった。

物語は一瞬で、崩れ去ってしまった。

 

…突然訪れた安息。

このまま死を受け入れよう。

しかたない。私の命は終わってしまった。

人間としての私の命は終わってしまった。

「人間」としての…命…?

「お前に与えられた新たな生命を生きよ」

瞬間、体中が雷に打たれたようだった。

私の命は、まだ終わっていない。

『卑しい人間としての生』

そう、ただその「虫けらのような生」が終りを迎えただけ!

体中を新たな戦慄が走り抜ける。

私は生きている。

私は「生きて」いる。

そしてこれからも…私は生きていく。

赤子が産声をあげるかのように

新たな生命が吐息とともに溢れ出した。

「ウア゛ア゛ァァァア゛ァ!!!」

その日、私の中に眠っていた女神の自我が芽吹いた。

私は冷たく湿った墓から這いずり出て、新たな大地に立った。

もはや、人間だった私は消えた。

蒼き砂漠の砂のように、そのひと欠片すらも残されてはいない――

<少女を探す者>

最初の記憶は小屋の中だった。

俺の手の中には、血に汚れたナイフ…四方を赤黒い血と闇、そして静寂に包まれていた。

あれは何だ…?そう思いよくよく見ると、それらは死体だった。死体があちらこちらに転がっているのだ。

おかしなことに、その時は何の動揺も感じなかった。

俺がこの手で家族を殺したこと、自分はもはや人間ではないこと…その2つが冷静な頭にはっきりと浮かんだ。

ナイフを握った指をそっと動かしてみた。…感覚的な異常は感じられない。

全てが無理なく、脳からの信号を受け取り、遂行していた。

俺は本能的に、新たに生まれた新しい自我の指示に従い、人間だった頃の痕跡を全て消そうと故郷を目指した。

新たに生まれた俺の中のもう一人の自分が絶え間なくささやく。

まだ俺は弱い。俺よりも遥かに強い奴らがこの宝玉を狙ってやってくる。

逃げろ…ニゲロ…

そして、強くなれ。

お前よりも弱い奴を探し出し、我が物にするんだ。

蒼い砂嵐が吹き荒れる平野を過ぎ、見ず知らずの土地にたどり着いた頃、

強大な気配が俺を見つけ出したことを感じ取った。

「どうしてだ?あれほど強大な存在は、俺のような弱小者を狩ったりせず、

眷属に加えるのだと…そう言っていなかったか?」

「バカめ、お前はお前が思う以上に特殊な能力を持っているのだ。

その上、こうして俺と分離し、会話することもできる。なぜ、お前と俺が一つじゃないのか…おかしいとは思わないのか?」

「本来、お前と俺が『一つ』なのが、正常だって言うのか…?」

「お前はまだ完全なチャイルドではない…まだ未分化の状態だ

そういう奴らは本来狂ってしまったり、あるいは…

まあいい、とにかくお前のような存在は不安要素なんだ。相手にとって見れば、そういった不安要素は摘み取っておきたいはずだ。俺だって、狩ることを選ぶだろう」

人間だった俺は死んだ。

新たに生まれた俺は、限りなく神に近しい存在のように思えた。

だが、俺は今も「俺」として、物事を考えていた。

神である俺は、こんなことは「正常」ではないと言った。

しかし、じきに安定すると…

安定しなかった場合は…狂って消滅するだろうと…そう言った。

俺は怖かった。

覚醒したあの瞬間でさえ、何事もなかった感覚や細胞…その一つ一つが叫んでいるようだった。

家族を皆殺しにして神になろうとした自分は、結局神になれないまま、人殺しとして死んでいくのか。

地獄で出会った霊魂が俺を呪い、俺は永劫の地獄をたった一人彷徨うのか…

「こんなこと、俺は望んでいない!俺が望んだのはこんな――!」

俺は恐怖の中をただひたすらに逃げた。

神は現れなかった。まるで俺をあざ笑うかのように…

そして俺は卑しく哀れな人間の姿をしたまま、とある小さな家の納屋に息を潜めることとなった。

そしてその場所で「君」に出会ったんだ。

ただひたすらに暖かく穏やかな君に…

 

▼コンテンツノート原文はコチラから読むことができますよ!

http://dn.game.naver.com/news/story.html?mode=read&no=59

 

イベールが命を落としてから、チャイルドに覚醒するまでの独白…

そして、チャイルドに覚醒した謎の男…

でもこの男、チャイルドにしては違和感が…?

お話の続きは後編で!

それでは、また次の記事でお会いしましょう!