ドラゴンネストの裏話
こんにちは!「Dragon Nest」(以下:DN)の翻訳担当をしているブラックバフです。
今回は、翻訳中に原文にないアレンジを加えた例(俗に言うカルチャライズ)をご紹介したいと思います。
DNというゲームはアクションRPGです。異世界を舞台にしたオンラインゲームとなります。女神の夢から生まれた存在「人間、エルフ…etc」と、悪夢から生まれた存在「魔物」の闘いを描いたゲームです。今回はその中でも、大幅にアレンジを加えた翻訳例をいくつか紹介していきます。
第一章. キャラクター設定の話
まず最初は、「キャラクター設定」の例です。
オンラインゲームなので、レベル上限が開放されるたびに新しいキャラクターが登場するのですが、今回登場するご紹介するのは「女神の悪夢か何かに触れてしまい、気が触れてしまったエルフ」の設定です。元の設定からして中々に特徴的なのですが、ここにスパイスを加えることで、キャラクターの味わいをさらに際立たせることにしました。
「気が触れてしまった」のなら、多少おかしなことを言っても大丈夫だ。そう思った私は、このキャラクター(名前:リピウス)を骨伝導好きなキャラクターにしてしまおうと思いました。ですが骨伝導は実在する技術なので、少し名前を変えて「骨振動」としました。そんな彼の代表的なセリフがこちらです。
「悪いな、少し耳が悪いんだ。できるなら僕の頭に君の頭を付けて、骨振動で話をしてくれると助かる。」
「どんな状況だよ!」と誰もがツッコミを入れてしまいますよね?ゲームプレイヤーのブログでもこのセリフには反応がありまして、やりきった感がありました。しかも声優さんが上のセリフを話してくれるものだから、最高でした!
でも彼には、まだまだ秘めたるポテンシャルがある!そう思い新しいセリフを追加しました。
「今日はとても良い風が吹くね。まるでブラックバフの鼻息みたいだ。女神も君がここに来たことを喜んでいるようだね。ブラックバフのように。」
ブラックバフとはDN内に登場する毛むくじゃらの牛さんです。心地よいそよ風が牛の鼻息って。臭いにも程がありますよね?こちらもプレイヤーの皆様には反応が良くて、翻訳者冥利に尽きるというものでした。このように、実際の設定にはなかったのですが、「自分が好きなもの、ゲーム内に登場するもの」などを用いて、スパイス漬けにしてしまうことで、ただのサブキャラクターがみんなに愛されるキャラクターへと大変身できたのです!
キャラクター設定は難しいものですが、ただのモブキャラも愛されキャラとなるような、プレイヤーの皆様に喜んでいただける翻訳を目指して日々精進してまいります!